久しぶりに感動の映画を観た。 (スタッフコラム)

先月末に、カワムラ看護部長から映画の紹介をいただいた。「ぼけますから、よろしくお願いします。」というタイトル。カワムラ部長は「認知症認定看護師」の資格を持つ。病院外でも凄いバイタリティーで多くの公的な職をバリバリこなしている方。ある日、部長室に用事があって行った際「こんなのが秋田で上映されるんだけど、観ません?」と映画紹介のパンフをくれた。「1千円だけど、テーマの割には明るくて笑えるシーンもあるし。」と。連休のド真ん中だけど、パンフに載ってたジイさんとバアさんがなんか可愛く見えて2枚購入。ウチに持ち帰って、配偶者にパンフを見せたら「それ知ってる。確か、随分前に宮根の番組で特集してたよ。私の両親も観ないかな~」。ということで更に2枚購入(しっかり親から2千円受け取ったそうですが(汗、、、オニ娘だぁ))。

一日だけ2回の上映で、午前の部に行った。舞台は広島。東大出身の1人娘が1200日の間、両親にカメラを向けたドキュメント。最初は自分(監督である娘)の病気の記録映像を残そうと思っていたようだけど、母親の認知症の兆候を感じて撮り続けた作品。全編に親が子を思う気持ちと子が親を思う気持ち、夫婦がお互いを思い合う気持ち、そして古き日本人の滅私的な周囲への気遣い(ヘルパーさんが来る日は身綺麗にして箒をかけて掃除して待つ、とか旦那さんにご飯を作ってやれない自分を激しく責める、とか・・・)なんかがドバ~っと溢れている作品で、ほぼずっと涙が止まらなかった。(そして老老介護の超現実が切なくて・・・)

で、思い出した。僕はムラカミハルキが好きだったけど、卒論は「深沢七郎」だった、ってことを。多くの人は既にこの作家名を覚えてないと思うくらい今はマイナー。でも「楢山節考」と「姥捨て山伝説」というと「あっ、知ってる」じゃないかな。フカザワが多くの作品で表現した「欧米的に確立された個」ではなく「集団の中にある社会的な自分=個」って考えるような(ん?何を言ってるんだろ、僕は・・・)古くて懐かしい「素敵な日本人」が「ぼけますから~」に確かに居たように思えて感動。ホントにいい夫婦。

で、映画を観た翌日に知った情報。この「ぼけますから、よろしくお願いします。」が今年度の「文化庁映画賞大賞」を受賞した(10月3日発表)そうな。(大拍手!)その報を受けてお父さんは「欣喜雀躍」だったそうな。  僕は、勉強好きで耳が少し遠い98歳の父親のような穏やかな「好々爺」を目指したいのう(広島弁風に読んでくんしゃい)・・・