お気に入りの箇所を抜粋。 (スタッフコラム)

表題を、なんのこっちゃ?と思われたでしょう。以前書いた「井川直子さん」の永楽食堂の記事を一部紹介します。全文を読みたい方はお話くださればdancyuをお貸しします。それと、この春秋田県内ではベストセラー状態だった「金足農業、燃ゆ(中村計さん著)」の一部も紹介します。(確か以前、マリマリ(県央部に週イチ配布される情報紙)のコラムでハートインクリニックの佐々木康雄先生も話題にしてましたねぇ)とてもいい。全部読みたい方は買ってね~

まずは、井川さん。(前略)~~「狭くてごめんねー」「なんもなんも。いいよー」「お待たせしたねー」「なんもだー」と歌うように口ずさむ。「なんも」とは全くなにも、の意味。つまりはノープロブレム。どこか大らかに、のんびりと、ここでは誰だって同じ何かに包まれる。~(中略)~約束の21時が来た。予約なんて2年前に誰かが言い出すまでここではなかった言葉だ。足を運んでくれた人を帰すのが心苦しく予約も考えものだなぁとおかあさんは言った。外へ出ると小雪の中、おとうさん3人組が肩をすくめて待っていた。寒いのにすみません、と私たちが慌てて謝ると、彼らは白い息を立てなぜだか嬉しそうにこう返した。「なんもなんも。いっぺえ飲んだか?」~(後略)  冬の超満員の永楽食堂のお客さんとお店の人との交流、秋田県人の素朴な優しさ、外で待つ予約客の冷え切った体と暖かい心。読み返す度に涙が滲むのですよ。全文読んだらあなたもきっと・・・コロナ禍が過ぎたら永楽に行くゾ!あ、因みに永楽の経営者は潟上市の方です。この名文を読んだ翌月、永楽で飲んでおかあさんに「読んだよ~」と話したらとても喜んでくれてワイン(日本酒以外の酒もあったんだね)をご馳走してくれた。その上お会計を少しまけてくれた。ホント温かい方ですよ。

さて、中村計さんは、吉田輝星率いる金農の科学的根拠に基づかない「昔ながらの」練習方法を否定的に書かない。そしてこれに関してとても印象的な(たぶんこの本の「結論」だろうけど)次の文を書いている。 (前略)~~何が正しいのか、など見る角度によって簡単にひっくり返る。誰がどこから見ても正しいものなど本来なく、比較したとき、よりいいと思われるものがあるだけなのだ。 その客観性を欠いた変化は改革ではなく異端を排除する弾圧だ。生物と同じように高校野球も多様であるから面白いし、その生命力を今日まで維持してこれたのだ。多様性を損ないかねない変化は近い将来、自分の首を絞めかねない。~(後略)~~  マイノリティや差別に対する弾圧への批判とも取れる内容。金農の練習や試合での態度からここまで感じる人がいるんだ。中村計さんの感動が強く伝わる箇所でした。

全く異なった内容だけど、二人とも読み手の心を掴む説得力がある。感動させてくれる。井川さんについては、サキガケにエッセイとして載ることがある。秋田出身で同世代。木内デパートの話をしながら永楽で飲んでみたいなぁ。