又吉直樹のことを話したい。 (スタッフコラム)

何故いま又吉直樹?それは全てコロナのせい。今年に入ってず~っと「本しか読んでない」と言っている。飲みに行けない、パチンコ行けない、映画だって、近場への観光すら控えている。配偶者はこの秋から「編み物」を始め、僕は読書とGYAOで観るVシネマ。極道、任侠の世界を堪能してます。

僕の机の本棚にあった未読の文庫本は全て読み終え、5年前、配偶者から薦められても読まずにいた「第2図書係補佐」という又吉直樹の作品だけになってそれを先日読み終えた。で、スゴイ話を見つけたのでお話したい。因みにこの本は2011年初版で僕が読んだのは2015年3月版のものであることを覚えておいてください。

この本は、又吉直樹が読んで面白いと感じた本を彼のエッセイとともに紹介する形態で、本の内容に合っているような小話を載せている。彼が心酔?する太宰に関係することも書いていて興味深かったが、ここでお話するのは「横浜の占い師」の話。又吉ファンならもう5年も前に話題にしてたことだろうが、一部を抜粋するので聞いてください。

~(前略)~昨年友達に誘われ横浜の占い師に見てもらった。占い師は手相を見るなり「長男だね。実家はもう離れたんだ。感受性強いね。本とか好きでしょ?」と驚くほどズバズバと当て、さらに「アナタの手相は「偉人」と「犯罪者」に多いの。大成功するか大失敗するかどっちかだね」と恐ろしいことを言った。弱気になった僕に占い師は「アナタは大丈夫!すごくいい手相よ。必ず成功します。タダ一つだけ約束して。深く悩まず明るく生きること」~~(中略)~最後に占い師は僕の手を取り「しかしいい手相だなぁ、何歳?」と微笑む。二十六だと答えると占い師は僕の手を見て「26...27...34...35あっ!」と言って僕の手を離した。三十五歳の僕に何があるのか?~~(中略)~帰り道、僕は終始無言だった。僕が「占い師「35あっ!」って言うたよな?」友達は「言ってない!言ってない!仮に言ってたとしても死なないよ!」友よ、僕はそこまでは考えてなかった~(後略)~

彼の生年月は1980年6月。で、「火花」で第153回芥川賞の受賞が2015年7月。(ん?もしかしたら、と思って調べてみたんだ)つまり、35歳1か月での受賞でした。当時話題になったけど「火花」はその年の1月に「文學界」に発表。彼が書いた最初の純文学だったとのこと。「第2図書~」はその4年前に出版しているので後付けのエピソードではないことは確実。「横浜の占い師」恐るべし。いろんなことを信じないへそ曲がりな僕でもこれは信じるしかない。世の中、スゴいことってあるね。。。