不条理と神、天。とても面白いお話だった。 (スタッフコラム)

「土の中の子供」で芥川賞を受賞した中村文則さんの作品はどれも一言で言えば「暗い」らしい。まだ3冊しか知らないが確かにそう感じる。でも面白い。そして、サキガケ新聞の「北斗星」の欄に「う~む、なるほどね~」と感じた記述を見つけた。それと、配偶者がことある度に口にする孟子の名言がある。今回はそれらを紹介したいと思う。例によって「抜粋」に勝手なコメントを付して。

「北斗星」の20年10月30日の記述は、人間が感じる「災厄という不条理」について触れる。カミュの「ペスト」という作品は「新型コロナウイルス」の予言のような内容であるとし、そしてカミュの代表作「太陽のせい」で母親を殺害する作品「異邦人」を紹介する。そのあと、俳人の長谷川櫂さんの講演の話が続く。~~長谷川櫂さんが不条理について言及した。自らの病を機に死を意識し、地獄や極楽が一般に求められる理由を考えて一つの答えを導いた。「現世だけで物事を考えると善悪の辻褄が合わなくなるから」。良いことをした人は必ずしも良い目をみないし、悪いことをしたからといって悪い目に遭うとは限らない。現世は不平等だ。哲学者はこれを不条理と呼ぶ、と長谷川さん。更に面白いのは大阪弁に例えたこと。曰く「なんでやねん」。~~世の中は「なんでやねん」に満ちているが諦めてはいけない。~~(後略) 長谷川さんはスゴい。僕は酔って「そんなの不条理だぁ~」なぞとよく叫ぶ。でも「不条理」という言葉にピンときていなかった。「不条理」といえば「カミュ」。その存在がやたらと大きかったからか「僕のアタマではよくわかんないのが「不条理」さ」と思ってた。う~む、哲学用語だよな~ムズい、って感じで「ソーシャルディスタンス」をもって随分離れたトコロから眺めてた。でも、「なんでやねん」だったら身近すぎて。「哲学も宗教も恐るるに足らず」だ。でも「不条理」の「正体」が「なんでやねん」だとわかったからといって、僕たちの身に降りかかる多くの「不条理や災厄」は無くなる筈もない。不条理が身に降りかかり、にっちもさっちもいかなくなった時、人はただただ自分の「現世」での無力を認めるしかない。そして次の「就職先」を「天国」に希望し「神に」「仏に」祈る。「私はあなたの信望者なのだから将来天国(極楽)に連れてってね」と。そう、やってることはただ「自分」がいかに「楽な境遇」になれるかを期待して。。。ただ、天国も地獄も「現世の辻褄合わせ的存在」だとしたら、ホントにこの世は「悪」で蔓延しちゃうんじゃないか心配になるさ~ 

読み返すとスゴく怖いことを書いてしまった。哲学的なお話ということでお許しいただきたい。しかも、こんなに沢山書いちゃったので、今回も2回に分けることにしました。次回は「中村文則さん」「孟子」を中心に。